薬師寺元一(読み)やくしじ・もとかず

朝日日本歴史人物事典 「薬師寺元一」の解説

薬師寺元一

没年:永正1.9.20(1504.10.27)
生年:生年不詳
室町後期の武将。細川政元の被官。通称与一。長盛の長子伯父元長の養子となり,文亀1(1501)年その死後摂津守護代を継ぐ。3年政元の命で阿波に下向し,細川成之の孫六郎(澄元)を政元の養子に迎えることをとり決めた。永正1(1504)年9月4日,成之や畠山尚順(尚慶),足利義尹(義稙)と結び,政元を廃して澄元を擁立せんとして淀城に反乱を起こす。しかし,実弟長忠が政元側に属し,成之の援軍も遅れたため19日には落城した。同日捕縛されて京都に送られ,翌日切腹。辞世に「地獄にはよき我主のあるやとて今日おもひたつ旅衣かな」。我主は若衆との掛詞で,政元の男色趣味を揶揄している。

(末柄豊)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「薬師寺元一」の解説

薬師寺元一 やくしじ-もとかず

?-1504 戦国時代の武将。
細川政元の家臣。文亀(ぶんき)元年(1501)伯父(おじ)で養父の薬師寺元長の死後摂津守護代をつぐ。3年政元の命で,細川成之の孫六郎(澄元)を政元の養子にむかえるため,阿波(あわ)(徳島県)におもむく。永正(えいしょう)元年政元を廃して澄元をたてようとして山城(京都府)淀(よど)城で挙兵するが,敗れて捕らえられ,9月20日自刃(じじん)した。通称は与一。
格言など】地獄にはよき我主のあるやとて今日おもひたつ旅衣かな(辞世)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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