病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「薬物アレルギーの人」の解説
薬物アレルギーの人
薬物アレルギーは、薬に対する体の過敏な反応で、薬物過敏症ともいいます。薬物アレルギーをおこす人は限られていて、どの薬でおこすのかも人によって限定されているものです。薬物過敏症人は、決められた量を正しく守っても、それ以下の使用量でも、アレルギー症状が発症してしまいます。発症には先天的な素質(親と似た体質)が大きく関係していますが、肝臓病、
薬物アレルギーをおこすおもな薬には、抗生物質・化学療法剤、抗炎症剤・解熱鎮痛剤、向精神剤、循環器系の薬などがあります。
●薬物アレルギーのおもな症状
①ショック ペニシリンなどの抗生物質、麻酔剤、解熱鎮痛剤、検査のときに使用される造影剤の一部などでおこす。ただし、注射剤を使用したときのことがほとんど。
②
③肝障害 肝機能の検査値が多少異常を示す軽いものから意識障害まで、肝機能障害の程度はさまざま。
④血液障害 抗生物質のクロラムフェニコールによる再生不良性貧血が代表的。そのほかにも、いろいろな血液障害がある。
⑤発 熱 しばしばみられ、発疹などの皮膚症状や血液障害とともに発生する。
⑥腎障害 抗生物質のアミノグリコシド剤、フェナセチンなどによって腎障害がおこる。
このほか、胃腸症状や呼吸器症状などもありますが、こうした症状がおこったときには、とりあえず服用を中止し、すぐ医師に相談してください。
●薬物アレルギーの人の注意点
①過去に薬物や食物でアレルギーをおこしたことがあったり、血縁者に同様の症状があった場合には、薬をもらう前に必ず、このことを医師に告げておく。
②肝臓や腎臓、血液などに病気がある人は、自己判断で薬を用いたりせず、使用するときには必ず医師に相談する。
③薬物アレルギーは皮膚症状のかたちで現れることが多いので、多少でも皮膚症状がみられたら、すぐ医師に相談すること。
④ふだんから、薬を乱用しない。
⑤薬物アレルギーらしい症状に気づいたら、服用を一時中断してみる。薬物アレルギーの大部分は、服用を中止することで治る。
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