藤山ハル(読み)フジヤマ ハル

20世紀日本人名事典 「藤山ハル」の解説

藤山 ハル
フジヤマ ハル

大正・昭和期のアイヌ文化伝承者 カラフト・アイヌ語の伝承者。



生年
明治33(1900)年4月20日

没年
昭和49(1974)年3月18日

出生地
樺太・エストリ・フシコ

別名
アイヌ名=エソランケマハ,エソッホランケマツ,旧名=山田 ハル,富士 ハル,通称=フシコ

経歴
カラフト・アイヌ語最後の伝承者。太平洋戦争後、夫とともに樺太から北海道常呂町に移る。のち服部四郎らアイヌ語研究者が北海道を訪れると、カラフト・アイヌに関する貴重な情報提供者として言語や祭祀民俗伝説などを彼らに教え、アイヌ研究の発達に貢献した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤山ハル」の意味・わかりやすい解説

藤山ハル
ふじやまはる
(1900―1974)

樺太(からふと)アイヌ文化の伝承者。アイヌ名はエソランケマㇵ。アイヌ語樺太方言(西海岸中部のライチシカ方言)の優秀な話し手で、シャーマンの祈り(トゥス)、伝説や説話、各種の歌謡トンコリなどの民族楽器、祭事刺しゅうなど、北海道とは異なる樺太アイヌ古来の文化の貴重な伝承者であった。第二次世界大戦後、樺太(サハリン)から北海道に引き揚げ、常呂(ところ)町(現北見市)に住む。服部(はっとり)四郎編『アイヌ語方言辞典』の樺太方言、村崎恭子著『カラフトアイヌ語』などの資料はすべて藤山のアイヌ語に基づく。

[村崎恭子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤山ハル」の解説

藤山ハル ふじやま-ハル

1900-1974 大正-昭和時代のアイヌ文化伝承者。
明治33年生まれ。金谷フサの母。戦後,樺太(からふと)(サハリン)から北海道常呂(ところ)町に移住する。アイヌ語樺太方言の最後の話し手として,服部四郎らの言語研究に協力。樺太アイヌ固有の伝説,祭りなどの伝承にも貢献した。昭和49年死去。74歳。アイヌ名はエソランケマハ。通称はフシコ。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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