江戸時代の大名家による領域支配制度。江戸時代の大名家は幕府から1万石以上の領地を与えられた者をさすが,総数二百数十家の内訳は,1万石から100万石余まで大小さまざまである。また一円的で大規模な支配領域をもつ藩と,支配領域が散在したり小規模な藩では領域支配のあり方は大きく異なっていた。しかし一般的には,所領内の藩主の居城・居宅を中心とした領内支配制度が形成され,領民からの貢租をおもな財源に,参勤交代をはじめ幕府への軍役負担や,領内支配にあたる大名家家臣団の維持がなされている点で共通していた。幕府同様に江戸時代を通じて藩政改革がくり返され,とくに領内外の市場経済の進展への対応を迫られた。大藩の場合には相対的に独立性が強く,独自の経済制度や法制をもったところもある。幕府倒壊直後も藩制による地域支配自体は続行され,最終的には1871年(明治4)の廃藩置県により消滅。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…もちろんこの過程で,諸藩の財政や禄制への規制も強化されていった。そして,この規制強化の最後が70年9月に公布された〈藩制〉であった。この規制のねらいは,とりわけ万国対峙,国権拡張のための藩制の推進であった。…
※「藩制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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