虎威(読み)コイ

精選版 日本国語大辞典 「虎威」の意味・読み・例文・類語

こ‐い‥ヰ【虎威】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (とら)の、他の群獣を恐れさせる威力。権威あるものの威力。また、「戦国策‐楚策・宣王」に見える狐が虎の威をかりる故事により、力のないものが他の威力をかりることのたとえ。
    1. [初出の実例]「義の為めに身を忘れ、僅かに虎威(コヰ)を駭(おどろ)かせしに」(出典:人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)四)
    2. [その他の文献]〔庾信‐哀江南賦〕
  3. 勇武のいきおい。さかんな勢力
    1. [初出の実例]「一時の虎威(コヰ)を逞して、淫酒に耽り」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「虎威」の読み・字形・画数・意味

【虎威】こい(ゐ)

虎の威光。〔戦国策、楚一〕虎、百獸を求めて之れをらふ。を得たり。曰く、~天我をして百獸に長たらしむ。~子(し)、我を不信と爲さば、~子、我が後に隨(したが)へと。~獸之れを見て皆走る。虎、獸の己を畏れて走るを知らず、を畏ると以爲(おも)へり。

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