改訂新版 世界大百科事典 「宣王」の意味・わかりやすい解説
宣王 (せんおう)
Xuān wáng
中国古代,西周末期の周王。生没年不詳。在位,前827-前782年。周の厲(れい)王が暴政を行ったため位を追われ,共和の制(前841)が敷かれたが,やがて厲王の太子の姫静が成人すると,周公と召公の後押しで即位した。これが宣王である。宣王は諸侯をなつけるとともに北西の玁狁(けんいん),南東の淮夷など異民族の討伐を行って,西周王朝の中興に成功したとされる。《詩経》の〈六月〉や〈江漢〉などの篇が宣王の外征を賛美する。しかし《国語》〈周語〉には,藉田(せきでん)の礼を廃したことや,太原で人民の登録を強行したことなど,宣王の無道が強調されている。二つの書物の宣王像に違いがあるのは,両者の背後にあった伝承の差によるのであろう。おそらく宣王の晩年には有力貴族たちが離反して,その息子の幽王の時代に西周は滅びることになる。
執筆者:小南 一郎
宣王 (せんおう)
Xuān wáng
生没年:?-前301
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報