六訂版 家庭医学大全科 「血友病性関節症」の解説
血友病性関節症
けつゆうびょうせいかんせつしょう
Hemophilic joint
(子どもの病気)
どんな病気か
血友病は、血液凝固能の低下により、身体各部に出血を生じやすい遺伝病です。血友病Aと血友病Bとがあり、両者を併せ、日本では出生男子10万人あたり12人の頻度でみられます。女子には極めてまれな病気です。
血友病では、関節内に出血を繰り返しやすい特徴があり、とくに幼児期、学童期に多くみられます。最も多いのは足、膝、肘関節、次に多いのは股、肩関節です。出血を繰り返すうちに、しばしば関節の変形と機能障害が進行します。
原因は何か
血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子、血友病Bは第Ⅸ因子の欠乏に起因します。X
症状の現れ方
初期には、関節の疼痛、
検査と診断
関節症の診断は、診察(関節の可動域など)とX線検査が基本ですが、MRIや超音波検査を行うこともあります。
治療の方法
治療の基本は、関節内出血の早期に凝固因子を静脈注射により補充することです。出血の頻度を減らすため、予防的に凝固因子を補充したり、装具を装用する方法もあります。滑膜の増殖期に滑膜切除術、末期の関節症に対し人工関節
病気に気づいたらどうする
関節内出血の際、患部を安静に保つ、冷やす、圧迫する(弾性包帯などで)、挙上する(心臓より高く)処置が大切です。
関連項目
水口 雅
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報