拘縮(読み)こうしゅく(英語表記)contracture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

拘縮
こうしゅく
contracture

関節包や靭帯を含めた関節周辺の組織が,なんらかの原因によって収縮して,他動運動が制限された状態をいう。関節面そのものに変化が生じて,そのために関節相対面が癒着するなどのために,関節が他動的に動かなくなる状態は強直 ankylosisといって,縮とは区別される。拘縮は皮膚,筋,筋膜,腱などの変化によって起るもので,関節面の変化はないことから通常,可逆的で刺激などの原因がなくなれば弛緩して永続的な障害は残さない。しかし,拘縮状態が長期間続いて患部が固定されると,関節周囲組織に次第に線維化が進み,元の状態に戻らなくなることがある。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐しゅく【拘縮】

1回だけの刺激によって生じる筋肉の持続的な収縮。痙縮(けいしゅく)。
関節に原因がなくて、関節が動かなくなる状態。

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大辞林 第三版の解説

こうしゅく【拘縮】

筋肉の持続性収縮。痙縮けいしゆく
関節の動きが制限された状態。皮膚・筋肉などの関節周囲の軟部組織の収縮によって起こる。 → 強直きようちよく

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

拘縮
こうしゅく

一般には、関節に関連をもつ軟部組織の収縮によって、関節が一定方向に運動を制限された状態、いわゆる関節拘縮を意味している。拘縮は、収縮の方向によって、伸展、屈曲、内転、外転、旋回などが区別されている。つまり、伸展拘縮とは、伸展位に関節が固定されて、屈曲のできない状態のことである。さらに拘縮は、先天性と後天性に大別され、先天性でもっとも多いのは、足の回外や屈曲の拘縮を示す内反足(ないはんそく)である。後天性のものは、皮膚、結合組織、筋肉、神経、関節に由来するものに分類される。皮膚の瘢痕(はんこん)(傷あと)による拘縮の大部分は火傷によるものである。結合組織によるものは靭帯(じんたい)、腱(けん)の瘢痕によるもので、特殊なものとしては、手の指根部が屈曲するデュピュイトランDupuytren拘縮がある。筋肉の萎縮(いしゅく)、短縮によっても拘縮がおこるし、神経機能の異常によって、筋肉が反射性、痙(けい)性、麻痺(まひ)性に収縮して拘縮がおこることがある。いずれの場合も、軽度であればマッサージ、関節運動などによって治癒するが、放置すると二次的な変化として線維および骨による癒着がおこり、関節強直の状態となるので注意を要する。[渡辺 裕]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こう‐しゅく【拘縮】

〘名〙
① 一回の短時間の刺激、または、反復しない持続的刺激により生じる筋肉の持続性収縮。各種のアルカロイドエーテルアルコール、酸、塩基などによるものが知られている。刺激の原因を早期に除けば、筋肉は弛緩(しかん)して回復する。痙縮(けいしゅく)
② 原因が直接に関節にあるのではなく、たとえば関節の近くの皮膚に瘢痕(はんこん)があって、そのため関節が動かなくなる状態。強直(きょうちょく)

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