行興寺(読み)ぎようこうじ

日本歴史地名大系 「行興寺」の解説

行興寺
ぎようこうじ

[現在地名]豊田町池田

天竜川左岸、旧東海道(県道磐田―細江線)北側にある時宗寺院。摂取山と号し、本尊阿弥陀如来観音菩薩および大勢至菩薩。地元では熊野ゆや様・藤寺とよばれて親しまれる。遊行上人二世他阿真教を開基とする。寺伝では平安末期池田宿の長者の娘熊野が母の死後建立した寺で、建久元年(一一九〇)の熊野の死後尼僧が住んでいたが、正応三年(一二九〇)真教が滞留して村人帰依を受け、時宗に改宗したといわれる。

年未詳の二月七日付名倉若狭・倉橋政範連署書状(行興寺文書。以下同文書は省略)に「池田道場」とみえ、見付みつけ(現磐田市)より当寺の蔵へ兵粮を移すので、火の用心盗人用心をし、下しきの萱を今明日中に刈取るよう命じている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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