(読み)クン

デジタル大辞泉 「裙」の意味・読み・例文・類語

くん【×裙】

裳裾もすそ
裙子くんす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「裙」の意味・読み・例文・類語

くん【裙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 裳裾(もすそ)。裾。
    1. [初出の実例]「擁裙集綺筵、比首雑華鈿」(出典:文華秀麗集(818)下・和野柱史観闘百草、簡明執之作〈巨勢識人〉)
    2. [その他の文献]〔釈名‐釈衣服〕
  3. ( [梵語] nivāsana の訳語。涅槃僧・下裙・内衣などとも訳す ) 仏語。十三資具衣の一つ。僧侶がつける黒色ひだのある、腰にまとうもの。裙子(くんし・くんす)。腰衣(こしごろも)
    1. [初出の実例]「直裰の裙、ならびに袖口等は、竿の遮辺にかかれり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)洗浄)

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普及版 字通 「裙」の読み・字形・画数・意味


12画

(異体字)
13画

[字音] クン
[字訓] もすそ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は君(くん)。正字はに作り、〔説文〕七下に「下裳なり」とする。〔段注〕に改めて「繞(めぐ)れる領(えり)なり」とし、衿の意とするが、〔釈名、釈衣服〕に「裙は下裳なり」とあって、もすそをいう。

[訓義]
1. も、もすそ、はかま。婦人の腰から下につける下裳。
2. へり、ふち、えり。
3. 中裙、はだぎ。

[古辞書の訓]
名義抄〕裙 モ・キモノ・コロモノスソ 〔字鏡集〕 モノコシ・モ・コロモノスソ・ユタカニ・オビヤカス・キモノ

[熟語]
裙幄裙簡・裙裙屐裙釵裙衫裙襦・裙裙帯・裙裙布裙帽
[下接語]
裙・曲裙・軽裙・紅裙・縞裙・青裙・短裙・長裙・布裙・羅裙・練裙

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【直綴】より

…直裰とも書き,直綴衣ともいう。上衣の褊衫(へんさん)と下衣の裙(くん)(腰衣)はもと別々のものであったが,中世に直接縫い合わせて着用するようになったのが直綴である。腰から下は裙の遺形ともいうべき襞(ひだ)がある。…

【中国服】より

…漢民族も袍や長衫を着用したが,それはおもに公用の官服としてであって,一般庶民とくに南方の漢民族は,襖・褲または短衫・褲の二部形式が普通であった。上流社会の成人女子は裙を着けることもあったが,この裙は巻きスカートのように腰に巻きつける下衣であった(図)。このほか,日本の羽織に相当する男子の礼服として馬掛児があったが,これは袍または長衫の上に著けた。…

※「裙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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