西ドビナ川(読み)にしドビナ(その他表記)Zapadnaya Dvina

改訂新版 世界大百科事典 「西ドビナ川」の意味・わかりやすい解説

西ドビナ[川] (にしドビナ)
Zapadnaya Dvina

バルト海に注ぐ川。ラトビアではダウガワ川とよぶ。長さ1020km,流域面積8万5100km2。ロシアのバルダイ丘陵北西部のドビネツ湖(標高約300m)にはじまり,西に流れてベラルーシ共和国,ついでラトビア共和国に入り,バルト海のリガ湾に注ぐ。岸には7~20m程度の崖がつづき,円礫(えんれき),砂などの堆積物が見られる。河水の涵養源(かんようげん)は,おもに地下水と融雪水である。12月から翌年3月まで結氷する。一部には急流もあるが,本支流の大半が航行可能で,とくに中流部左岸支流ウラ川とドニエプル水系ベレジナ川との間にはベレジナ運河があり,両水系を結ぶ。流域のおもな河港はビテプスク,ウラ,ダウガフピルス,ケグムス,リガである。リガは河口から16kmにあたり,小さな海航船が遡航できる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西ドビナ川」の意味・わかりやすい解説

西ドビナ川
にしドビナがわ
reka Zapadnaya Dvina

下流部はダウガバ Daugava川 (ラトビア語) 。ロシア西部を流れ,バルト海のリガ湾に注ぐ川。全長 1020km。流域面積8万 7900km2。モスクワ北西方にあるバルダイ丘陵に源を発し,南,南西,北西に流れてロシア,ベラルーシ,ラトビアを通り,リガ湾に注ぐ。流域には広い湿原や多数の湖がある。 12月初旬上流部から氷結しはじめ,4月中旬に上流部まで解氷する。融雪時には大洪水を引起す。沿岸にはビテブスク,ポロツク,ダウガフピルス,リガなどの古いロシアの都市が発達し,古来バルト海地方から西アジアやビザンチン方面への交易路の一部をなしていた。木材,建設資材,穀物などの運搬に利用され,多くの水力発電所も建設されている。ジスナ,ドリッサなどの支流がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「西ドビナ川」の意味・わかりやすい解説

西ドビナ川
にしどびながわ
Западная Двина/Zapadnaya Dvina

北東ヨーロッパのバルダイ丘陵に発し、西流してベラルーシ北部、ラトビアを通り、バルト海のリガ湾に注ぐ川。ラトビアではダウガーバДаугава/Daugava川とよぶ。長さ1020キロメートル、流域面積8万7900平方キロメートル。12月から3月中旬まで結氷する。大部分が航行可能で、木材輸送船などが通る。サケ漁も行われている。

[熊木洋太]

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