西恩寺(読み)さいおんじ

日本歴史地名大系 「西恩寺」の解説

西恩寺
さいおんじ

[現在地名]千早赤阪村小吹

観心かんしん(現河内長野市)南東に位置する。融通念仏宗、山号亀宝山、本尊阿弥陀三尊仏。河泉地蔵霊場第四番札所。寺伝によると、建久九年(一一九八)幸善が真言宗寺院として開基したと伝え、観心寺の一坊であったといわれる。大念仏寺四十五代記録末寺(大念仏寺文書)の延宝五年(一六七七)分に「六別時之外河州石川郡下東坂村西音寺者従往古在之候得共及破壊候故、慶長四己亥長禅ト申禅門再興」とあり、当時東坂あずまざかにあって西音寺と表記され、往古より存在するが荒廃していたので、融通念仏宗末寺として長禅が再興したことが知られる。


西恩寺
さいおんじ

[現在地名]一宮市千秋町小山

城跡山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。もと名古屋円通えんつう寺末。境内八二三坪。創建不詳。ただし「尾張志」では天文八年(一五三九)、行善の建立。「丹羽郡誌」では応安元年(一三六八)とする。寺伝によると、伊勢長島の落武者伊藤喜左衛門が出家し西恩と号し、聖徳太子像を当寺の守護として浄土真宗に改めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android