西東詩集(読み)セイトウシシュウ(その他表記)West-östlicher Divan

デジタル大辞泉 「西東詩集」の意味・読み・例文・類語

せいとうししゅう〔セイトウシシフ〕【西東詩集】

原題、〈ドイツWest-östlicher Divanゲーテ詩集。1819年刊。14世紀ペルシアの詩人ハーフィズ作品から受けた感銘と、年下の恋人マリアンネとの恋愛結晶ともいうべき晩年代表作。マリアンネによる作品も部分的に収めた相聞歌の巻「ズライカの書」が有名。

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改訂新版 世界大百科事典 「西東詩集」の意味・わかりやすい解説

西東詩集 (せいとうししゅう)
West-östlicher Divan

ゲーテの晩年の詩集。1819年刊。〈うたびとの書〉〈ハーフィズの書〉〈愛の書〉など12の書から成る。〈西東詩集のよりよき理解のために〉,ゲーテはみずから〈注解と論考〉という大きな論文を添えた。彼は1772年23歳のときに,すでにコーランのドイツ語訳を読み,賛歌マホメットの歌〉(1773)を未完の劇詩のために書いたり,99年にボルテール戯曲《マホメット》を翻訳したりしていたが,1814年にペルシアの詩人ハーフィズのハンマー・プルクシュタル訳を読んだことから詩想をかきたてられ,同じ頃に知り合ったマリアンネ・ウィレマーに対する愛から,相聞歌のかたちで多くの詩を書いた。1813-15年にはナポレオンに対する解放戦争があったり,16年6月には妻のクリスティアーネが病没するなど,ゲーテの身辺は平穏ではなかった。このような時期に彼はあえて精神的な〈遁走Hedschra(ヒジュラ)〉を試み,永遠に変わることのない人間性の諸価値を歌ったのである。
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百科事典マイペディア 「西東詩集」の意味・わかりやすい解説

西東詩集【せいとうししゅう】

ゲーテの詩集。1819年作。恋や酒や人生智を歌う13巻からなる。14世紀ペルシアのハーフィズの詩のドイツ語訳の感銘と,ラインに旅して若い人妻との間に燃えた恋との結晶で,作者が東洋詩人に扮してズライカと相聞歌をかわす〈ズライカの巻〉は特に有名。

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