六訂版 家庭医学大全科 「角膜異物」の解説
角膜異物
かくまくいぶつ
Corneal foreign body
(眼の病気)
どんな病気か
角膜異物とは、角膜に異物が付着あるいは刺さった状態をいいます。
原因は何か
原因となる異物としては飛んできたゴミ、鉄粉、植物の種子などさまざまな小物体があげられます。表面に付着しただけの異物は取り除くだけで問題はありませんが、異物が角膜に刺さると感染を起こす場合があり、感染予防が大切です。また鉄粉が角膜に入ると
症状の現れ方
角膜は非常に痛覚が発達しているため、異物が付着した瞬間に異物感、眼痛、
検査と診断
治療の方法
治療としては、異物を除去し、同時に感染の予防を行います。異物の除去方法は、まず十分に点眼麻酔を行い、その後洗眼や水道水などで静かに洗い流します。
これで取り除けない場合には綿棒やティッシュペーパー、きれいなハンカチなどで軽くこするようにして異物を除去します。角膜に刺さっている異物は
除去後は感染を予防するために抗菌薬の眼軟膏を入れ、眼帯を行い、必ず翌日の診察を受ける必要があります。汚染されている異物の場合にはとくに感染予防対策が大切で、時に抗菌薬の内服を行います。
いったん感染を起こすと角膜潰瘍(かいよう)など重い合併症に進む危険性があるので、角膜異物を決して軽くみてはいけません。完治するまで眼科医の治療が必要です。
応急処置や予防対策はどうするか
角膜異物は自覚症状がはっきりしているため、診断は簡単です。眼科医に行く前に、まず洗眼・洗顔、あるいは水道水、シャワーなどで異物の流出除去を図り、症状がなくならない場合には眼科医の診察・治療を受けることが大切です。
稲富 誠
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報