(読み)ショウ

精選版 日本国語大辞典 「訟」の意味・読み・例文・類語

しょう【訟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 官に申し出てさばきを願うこと。うったえること。うったえ。
    1. [初出の実例]「各局訟を聴き獄を断ずるの全権あれども」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二)
    2. [その他の文献]〔論語‐顔淵〕
  3. 易の六十四卦の一つ。、上卦は乾(けん)(=天)、下卦は坎(かん)(=水)。剛強な天と陰険な水とが争うさまで、争訟をあらわす。天水訟。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「訟」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
11画

[字音] ショウ
[字訓] うったえる・せめる

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(公)(こう)。(頌)・(松)(しよう)の声がある。〔説文〕三上に「爭ふなり」とし、「一に曰く、歌なり」(段注本)という。歌訟は歌頌・祝頌の意であろう。公廷平面図的にしるしたもので、とはその祖の前で是非を争うこと、とは前で祝頌することをいう。

[訓義]
1. うったえる、是非をあらそう。
2. さばく、ただす、せめる。
3. 頌と通じ、うたう、たたえる。
4. 誦と通じ、となえる。

[古辞書の訓]
名義抄 アラソフ・ハカリゴト・オモフ・セム・ウツタフ・ウツタヘ・シタガフ・コトワリ

[語系]
・誦ziongは同声。廷で祝頌することを、訴訟することをという。その誦言するところを誦という。

[熟語]
訟案・訟訟鬩・訟見訟言訟獄・訟師訟詞・訟事・訟者・訟声訟牒訟諜・訟庭訟牘訟繆訟免訟理
[下接語]
訟・訟・決訟健訟・好訟・獄訟・察訟・止訟・辞訟・終訟・聚訟・申訟・折訟・絶訟・訴訟・争訟・聴訟・庭訟・輟訟・闘訟・内訟・弁訟・理訟

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