許行(読み)きょこう(その他表記)Xǔ Xíng

改訂新版 世界大百科事典 「許行」の意味・わかりやすい解説

許行 (きょこう)
Xǔ Xíng

中国戦国時代の思想家。諸子百家なか農家に属する。楚の人。滕国(山東省)におもむき文公から田宅を賜って,仲間数十人とともに,粗服をまとい,わらぐつを編み,むしろを作って生活したという。神農の教えと称して,君主人民もともに労働に従うべきだという君民並耕説と,同じ長さの布帛(ふはく),同じ量の五穀は同じ値段であるべきだという物価斉一論を説いた。これに対して孟子はきびしい批判を加えている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「許行」の意味・わかりやすい解説

許行
きょこう
Xu Xing

中国,戦国時代の諸子百家の一人。楚の人。すべての人は農耕に従事し,勤倹に努めるべきことを,神農の教えとして説いた。その著書に『神農』があるが,現在は散逸。その説は『孟子』滕文公上編にみえる。

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世界大百科事典(旧版)内の許行の言及

【農家】より

…中国古代の諸子百家に数えられた農政学派。農業神神農を奉じた戦国期の許行(きよこう)や陳相(ちんしよう)は,生産労働を重んじ国民皆農の〈君民並耕〉を説き,農業保護の物価統制策を主張した。孟子は精神・肉体労働の分業を,治者・被治者の関係でとらえ,この耕農優先説を君臣の本分を乱す逆コースと非難した。…

※「許行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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