詩合(読み)しあわせ

精選版 日本国語大辞典 「詩合」の意味・読み・例文・類語

し‐あわせ‥あはせ【詩合】

  1. 〘 名詞 〙 人を左右に分けて漢詩を作らせ、判者がその優劣を判定して勝負をつけること。天徳三年(九五九)八月一六日清涼殿において催されたのを最初とする。翌年、これにならって歌合が行なわれた。闘詩
    1. [初出の実例]「於清涼殿詩合、題十首」(出典日本紀略‐天徳三年(959)八月一六日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「詩合」の意味・わかりやすい解説

詩合
しあわせ

左右に分かれて漢詩をつくり、判者がその優劣を判定して勝負を決める行事。中国では唐代に2人で詩を贈答する戦詩があったが、わが国の詩合とは無関係で、歌合(うたあわせ)の隆盛に影響されて生まれたもの。959年(天徳3)村上(むらかみ)天皇御前で4人の詩人が10番を合わせたのが最初で、判詞も加えられている。その後「応和(おうわ)三年(963)善秀才(ぜんしゅうさい)宅詩合」「永承(えいしょう)六年(1051)侍臣詩合」「天喜(てんき)四年(1056)殿上(てんじょう)詩合」が行われたが、しだいに文学性を失って遊戯的になり、鎌倉時代には「資実長兼両卿(すけざねながかねりょうきょう)百番詩合」のごとき聯句合(れんくあわせ)が現れるが、やがて衰退していった。

[大曽根章介]

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