請益(読み)せいえき

精選版 日本国語大辞典 「請益」の意味・読み・例文・類語

せい‐えき【請益】

  1. 〘 名詞 〙
  2. さらに増すことを請うこと。重ねて教えを願うこと。しょうやく。
    1. [初出の実例]「遊仙窟曰、九泉下人、一銭不直、孔子曰、受之於天変易者形也、受之於命請益者寿也」(出典万葉集(8C後)五・沈痾自哀文)
    2. 「自相方許抄出除目作法、請益於下官、為父相府懇切所尋問也云々。少々事重示了」(出典:小右記‐正暦四年(993)七月五日)
    3. [その他の文献]〔論語‐子路〕
  3. 朝廷儀式の場で会釈して許しをうけること。しょうやく。
    1. [初出の実例]「内弁毎事、示請益之気色」(出典:江家次第(1111頃)一)

しょう‐やくシャウ‥【請益】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しょう」「やく」はそれぞれ「請」「益」の呉音 )
  2. 仏語。師に対して不明の点につき、さらに一段の教えを請うこと。禅宗では「しんえき」とよむ。
    1. [初出の実例]「やや三年をすぐるに今の因縁を請益に挙せらる」(出典:伝光録(1299‐1302頃)永平弉和尚)
  3. 重ねて教えを請うこと。せいえき
  4. 朝廷の儀式の場で相手に会釈(えしゃく)して許しをうけること。挨拶。せいえき。〔書言字考節用集(1717)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「請益」の読み・字形・画数・意味

【請益】せいえき

更に教えを請う。〔礼記、曲礼上〕業をふときは則ち(た)ち、ふときは則ちつ。

字通「請」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の請益の言及

【留学】より

…このころから留学期間も一般に短くなり,最澄,空海も遣唐使とともに帰国している。留学生は一般に,学問生と学問僧に分けられ,短期の留学生は請益生・請益僧と呼ばれた。請益(しようやく)とはさらに教えを請う意で,日本でそれぞれの学業を身につけたものが,その業を深め,疑問を解決するために,短期間留学するものであった。…

※「請益」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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