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使用貸借 しようたいしゃく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

使用貸借
しようたいしゃく

無償で他人を借りて使用収益する契約 (民法 593~600) 。賃料など使用の対価を払わない点が賃貸借と違い,また借りた物が使用後そのまま貸主に返される点が消費貸借と違う。使用貸借は,贈与と同じく無償契約であり,一般には友人,隣人間など特殊な関係にある者の間に成立することがほとんどの場合と考えられ,それほど社会的に大きな役割を果していないといわれる。沿革的な理由から要物契約とされ,貸主が借主に物を引渡さないと成立しない。したがって,貸主は自己の物を借主が使用収益することを認めるという消極的義務を負うだけである。なお契約の期間,したがって貸主の返還請求について,また貸主の修繕義務などについて賃貸借の場合のような法律上の制限,負担はない。そこで社宅の利用関係が賃貸借か使用貸借かで争われることがある。

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デジタル大辞泉の解説

しよう‐たいしゃく【使用貸借】

当事者の一方相手方からある物を無償で借りて、使用・収益したのちに返還する契約。

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百科事典マイペディアの解説

使用貸借【しようたいしゃく】

当事者の一方(借主)が相手方(貸主)からある物を受け取ってその物を無償で使用および収益した後に返還することを約することによって成立する契約(民法593条以下)。
→関連項目片務契約

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不動産用語辞典の解説

使用貸借

借主が貸主から目的物を無償で借りて使用収益し、後にその目的物を貸主に返還する契約を「使用貸借」といいます。
借主は契約に返還時期の定めがあるときはその時期に、その定めがないときは契約に定めた目的に従い使用収益を終えたとき等に、目的物を返還しなければなりません。
使用貸借は、使用収益の対価を支払わない(無償)点において賃貸借と異なります。
また、使用貸借の目的物が住宅やその敷地であっても、借地借家法(平成4年7月31日までの契約の場合は、旧借地法、旧借家法、旧建物保護法)は適用されません。親族や雇用等特殊な人的関係のある者の間で約束されるケースが多く、それらの人的関係が崩壊したときに法的紛争を生ずることが少なくありません。

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世界大百科事典 第2版の解説

しようたいしゃく【使用貸借】

動産,不動産を問わず物を無償で貸借する契約(民法593条)。本,自転車等の動産の場合,ほとんど契約として意識されないが,不動産については,親子間とか知人間で行われることが多い。無償であるため,賃貸借におけるような借地借家法による賃借人の保護は必要とされず,実際にも,法律によって争われることは少ない。賃貸借と比較すると次のような差がある。第1は,借主は,目的物が譲渡・相続されると,新たな所有者に借りる権利を主張できないことである。

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大辞林 第三版の解説

しようたいしゃく【使用貸借】

〘法〙 友人から車を借りる場合のように、他人の物を借りて無償で使用収益した後にその物を返還する契約。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

使用貸借
しようたいしゃく

無償で他人の物を借りて、使用収益したのち返還する契約。無償・片務・要物の契約である。同じく他人の物を使用収益する契約である賃貸借とは、無償契約である点で基本的に異なる。有償性が原則の近代市民法の下では使用貸借の社会的意義は小さい。使用貸借は、借り主が貸し主から目的物を受け取ることによって成立する(民法593条)。使用貸借における貸し主の義務は、借り主が目的物を使用収益するのを認容することである。貸し主の担保責任については、贈与者の担保責任の規定(同法551条)が準用され(同法596条)、目的物に瑕疵(かし)があって借り主が損害を被っても、貸し主は原則として責任を負わない。
 使用貸借における借り主の権利は、目的物について使用収益をなすこと(同法594条)である。借り主は目的物を保管する義務を負い、さらに通常の必要費を負担する(同法595条1項)。借り主が使用収益権の範囲を逸脱し、あるいは保管義務に違反した場合には、損害賠償責任を負うが、それは1年の除斥期間によって消滅する(同法600条)。[淡路剛久]

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