賞翫(読み)ショウガン

デジタル大辞泉 「賞翫」の意味・読み・例文・類語

しょう‐がん〔シヤウグワン〕【賞×翫/賞玩】

[名](スル)近世までは「しょうかん」》
そのもののよさを楽しむこと。珍重すること。「書画を―する」
味のよさを楽しむこと。賞味すること。「旬の味覚を―する」
尊重すること。
方式に拘らず時の宜しきに従うを―すべき事なり」〈子規・墨汁一滴〉
[類語]賞味玩味

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「賞翫」の意味・読み・例文・類語

しょう‐がんシャウグヮン【賞翫・賞玩】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「しょうかん」 )
  2. ( ━する ) 風物事物などのよさを、味わい大事にすること。珍重すること。
    1. [初出の実例]「朕去春欲此樹。而未賞翫」(出典:続日本紀‐天平一〇年(738)七月癸酉)
    2. 「祝言のざしきにも、まづ酒をこそ賞翫(シャウクヮン)すれ」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)中)
    3. [その他の文献]〔晉書‐紀胆伝〕
  3. ( ━する ) ほめたたえること。行為や心情などを賞賛すること。
    1. [初出の実例]「季富絹・縑各一疋、連茂白絹、直祥縑一疋〈季富以下三人、七ケ日間祗候。仍厚賞翫〉」(出典:九暦‐逸文・天暦四年(950)閏五月二日)
  4. ( ━する ) 手厚くもてなすこと。非常に重んじること。
    1. [初出の実例]「社官を賞翫(しゃうグン)せらるる余、僧正に同く香染をゆるされ」(出典:八幡愚童訓(乙)(1301‐04頃)上)
  5. ( ━する ) 味わうこと。賞味すること。
    1. [初出の実例]「松蕈多処には、其まわりに火を置いて、たてながら焼松蕈にして賞翫するぞ」(出典:史記抄(1477)一五)
  6. ( 形動 ) 貴いこと。身分などが高いこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「賞翫の人とさ程なき人と両人へ一札に調て状を遣事有べし」(出典:家中竹馬記(1511))

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