贖銅(読み)ショクドウ

デジタル大辞泉 「贖銅」の意味・読み・例文・類語

しょく‐どう【×贖銅】

古代における贖罪制度の一。実刑の代わりに銅を納めさせること。また、その銅。

ぞく‐どう【×贖銅】

しょくどう(贖銅)

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精選版 日本国語大辞典 「贖銅」の意味・読み・例文・類語

しょく‐どう【贖銅】

〘名〙
① 律での贖罪の一つ。罪を犯した官人たちに実刑の代償として、相当額の銅を納めさせたこと。また、その納める銅。つぐないとして出す銅。
※律(718)五罪「笞十贖銅一斤」
② 平安から室町時代にかけての刑罰一種。銅・銭貨財物(兵器・布・稲・馬など)を納めて罪を償わせること。また、その納める銅など。
※中右記‐永久二年(1114)六月三〇日「内舎人重貞罪令明兼勘申之処、解官外贖銅十斤者、信貞勘文も大略同此也、但於贖銅刑部省法也」

ぞく‐どう【贖銅】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「贖銅」の意味・わかりやすい解説

贖銅
しょくどう

銅をもって刑にかえることで、律令(りつりょう)制における閏刑(じゅんけい)の一種。贖銅を認められたのは、議請減(ぎしょうげん)の特典のある者、八位あるいは勲十二等以上の有位者かその近親で、流罪以下を犯すときである。有位者に対する特典であるが、贖銅の額は罪の軽重によって定まった。

石井良助

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世界大百科事典(旧版)内の贖銅の言及

【贖罪】より

…贖という実刑緩和の制が適用されるのは,身分的特権として,官品を有している者やその家族が流罪以下の罪を犯した場合と,老人や小児あるいは身体障害者が流罪以下を犯したときのほか,疑罪すなわち嫌疑濃厚にして確証のない場合に罪まことならば科されるべき刑に相当するだけの贖を徴し,いずれも国庫に入れられた。誣告(ぶこく)の事件や過失で人を殺傷した場合にも贖銅を徴したが,これらの場合には被害者の家に入れられた。【礪波 護】 日本古代における贖銅の額は,笞(ち)10に対して銅1斤(きん)からはじまり絞斬の200斤に至るまで,それぞれ律に規定があり,中国のありようにほぼ似る。…

※「贖銅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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