閏刑(読み)ジュンケイ

精選版 日本国語大辞典 「閏刑」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐けい【閏刑】

  1. 〘 名詞 〙 有位者・武士・僧侶などの特定の身分のもの、または、幼老・婦女・廃疾者などに対し、正刑に代えて科した刑。本刑・正刑に対するもの。奈良時代の律で、官当、免官、免所居官鎌倉・室町期の解官除籍、江戸時代の逼塞、閉門など。
    1. [初出の実例]「閏刑条例」(出典:改定律例(1873))

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「閏刑」の解説

閏刑
じゅんけい

官人・僧尼などの特定身分の者に対し,主刑である笞(ち)・杖(じょう)・徒(ず)・流(る)・死に代わって科する刑罰総称。閏刑には付加刑的なものと換刑的なものがあり,官人に対しては,付加刑として除名・免官・免所居官(めんしょこかん)が,換刑として官当・贖(しょく)が名例律に定めてある。僧侶に対しては,換刑として苦使・外配(げはい)(畿外の寺に配する)・還俗(げんぞく)が僧尼令に規定されていた。その他平安~室町時代には解官・除籍が,江戸時代には逼塞(ひっそく)・閉門などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「閏刑」の意味・わかりやすい解説

閏刑
じゅんけい

特別の身分にあるものに対して特別の刑罰を定めたもの。「律」の流れをくむ明治初年の仮刑律新律綱領改定律例といった刑法典には,いまだ閏刑がもうけられており,たとえば新律綱領では,官吏,華・士族,僧侶の罪には,謹慎,閉門,禁錮,辺戍,自裁という5つの閏刑があった。

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