ロシアの作家アンドレーエフの短編小説。1904年刊。日露戦争時の戦場を舞台として、血みどろの曠野(こうや)の心象、幻のような風景を描く。焦げつける太陽の炎熱、流される血、兵火等々、その風景と幻は全体に赤く染め抜かれ、最後には空も地球も気が狂って真っ赤になる。そのときの死の恐怖が凝らされたイメージが「赤い笑い」である。後半は、その見聞の軸になった士官は両足切断の手術を受けて、故郷に戻ってきているが、もう気が狂っていて、白紙の上に乾いたペンを走らせるばかりで、まもなく死ぬ。弟が兄にかわって、兄の見聞、気持ちを書き記した手記という形をとっているが、弟も兄の幻にとりつかれて、気が狂い、夜空に「赤い笑い」を見る。
[小平 武]
『二葉亭四迷訳『血笑記』(『二葉亭四迷全集 第八巻』1981・岩波書店・所収)』
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
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