赤い笑い(読み)あかいわらい(その他表記)Красный смех/Krasnïy smeh

精選版 日本国語大辞典 「赤い笑い」の意味・読み・例文・類語

あかいわらいあかいわらひ【赤い笑い】

  1. ( 原題[ロシア語] Krasnyj smjeh ) ロシアの作家アンドレーエフの短編小説。一九〇四年発表。日露戦争題材をとり、戦争の残虐性、非人間性をえぐり出し、戦争に対するはげしい憎悪に貫かれている。日本では二葉亭四迷名訳「血笑記」(一九〇八)で早くから紹介された。

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関連語 岩波書店 所収

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤い笑い」の意味・わかりやすい解説

赤い笑い
あかいわらい
Красный смех/Krasnïy smeh

ロシアの作家アンドレーエフの短編小説。1904年刊。日露戦争時の戦場を舞台として、血みどろの曠野(こうや)の心象、幻のような風景を描く。焦げつける太陽の炎熱、流される血、兵火等々、その風景と幻は全体に赤く染め抜かれ、最後には空も地球も気が狂って真っ赤になる。そのときの死の恐怖が凝らされたイメージが「赤い笑い」である。後半は、その見聞の軸になった士官は両足切断の手術を受けて、故郷に戻ってきているが、もう気が狂っていて、白紙の上に乾いたペンを走らせるばかりで、まもなく死ぬ。弟が兄にかわって、兄の見聞、気持ちを書き記した手記という形をとっているが、弟も兄の幻にとりつかれて、気が狂い、夜空に「赤い笑い」を見る。

小平 武]

『二葉亭四迷訳『血笑記』(『二葉亭四迷全集 第八巻』1981・岩波書店・所収)』

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