日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤い風船」の意味・わかりやすい解説
赤い風船
あかいふうせん
Le Ballon Rouge
フランス映画。1956年作品。監督アルベール・ラモリスAlbert Lamorisse(1922―1970)。少年と風船の交流を詩情豊かに描いた短編映画詩。前作の『白い馬』(1952)と並んで、ドキュメンタリーのようなファンタジーという独創的な領域を開拓したラモリスの傑作である。少年の後を生き物のようについてまわる風船の動きや、風船の鮮やかな赤を際だたせる美しい色彩がすばらしい。国際的にも高い評価を受け、カンヌ国際映画祭パルム・ドール(短編)、アカデミー最優秀オリジナル脚本賞ほか、多くの映画賞を受賞した。主演の少年は『白い馬』にも出演していたラモリスの息子、パスカル・ラモリスPascal Lamorisse(1950― )。
[伊津野知多]