出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
富山県の民謡。同県富山市八尾(やつお)町地区で9月1日から3日間の「風の盆」に、盆踊り唄(うた)として歌われてきたもの。源流は不明であるが、本州の日本海側の港町で生まれた酒盛り唄で、七七七五調のしまい五文字の前に「オワラ」ということばが挿入される唄が、神通(じんづう)川、井田川経由で江戸時代後期に八尾へ伝えられたと思われる。1913年(大正2)富山市で博覧会が催された際、余興としてこの唄も参加することになり、踊りの師匠江尻(えじり)せきが今日の踊りの振にまとめあげ、一方、唄のほうも江尻豊治が1919年ごろから今日の節回しを確立、以後その形を踏襲するようになった。
[竹内 勉]