精選版 日本国語大辞典 「蹴転」の意味・読み・例文・類語 け‐ころ【蹴転】 〘名〙① 「けころばし(蹴転)②」の略。※雑俳・雲鼓評万句合‐寛延三(1750)「面の皮千枚ばりの蹴転也」② 花札賭博の一種。二人で勝負するもので、花札を互いに八枚ずつ持ち、場にも八枚をまき、早く九〇点余計に取った者を勝とする。各札の点数は独特の点数で計算される。手役は無く、出来役だけである。③ さいころを用いてする博奕(ばくち)。一六(いちろく)勝負。※浄瑠璃・箱根霊験躄仇討(1801)七「百と二百のけころ打ち」 け‐ころばし【蹴転】 〘名〙① けころばすこと。けってひっくりかえすこと。② 江戸時代、天明(一七八一‐八九)の末頃まで、江戸の下谷浅草辺にいた最下級の私娼、売春婦。玉代一切り二百文。けころばせ。けころ。けたおし。※雑俳・雲鼓評万句合‐宝暦一(1751)「煙たつ下谷の竈けころばし」③ 桁(けた)とか小さな柱のような一種の木の小片(日葡辞書(1603‐04))。 け‐ころば・す【蹴転】 〘他サ四〙 けってころばす。けってひっくりかえす。けたおす。けころばかす。※歌謡・松の葉(1703)三・餓鬼舞「こればかりの盛切飯を一ぱひばかりは、踏んぞろばいてもけころばいても、ちっともぞっとも大事もないが」 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報