軽井沢村(読み)かるいざわむら

日本歴史地名大系 「軽井沢村」の解説

軽井沢村
かるいざわむら

[現在地名]軽井沢町軽井沢

軽井沢宿を中心として、入山いりやま峠西麓の境新田さかいしんでんを含む。北東は浅間山の稜線から鼻曲はなまがり山・旧碓氷うすい峠・さき山・入山峠で上野国と境する。

永禄六年(一五六三)の武田信玄朱印状(佐藤文書)には「軽井沢境豊後守」等に対し、謀反・殺害・刃傷・盗賊山賊・火賊・夜討・博奕の犯科人を岩村田いわむらだ(現佐久市)へ報告するよう申し渡しており、「軽井沢」の名がみえる。

中世には大井おおい長倉ながくら郷のうち、古代から近世にかけて、東国信濃・都を結ぶ東山道や中山道の要地で、それだけに戦乱の厄にも遭っている。正平七年(一三五二)、諏訪の諸氏を率いる宗良親王を助けるために、新田義宗らが、足利氏の軍と戦った「臼井到下」(園太暦・参考太平記)は旧碓氷峠だとされている。なお、永禄四年武田信玄と上杉氏との戦いでは隣の借宿かりやどが兵火に遭った(「北条氏邦書状」片野文書)という。


軽井沢村
かるいさわむら

[現在地名]羽後町軽井沢

出羽丘陵の山中、田代たしろ川の支流軽井沢川沿いに集落が点在する。北南西の三方を由利郡に囲まれ、矢島藩領への道が村内を通る。

宝永二年(一七〇五)の雄勝郡村々御黒印高牒(秋田県庁蔵)によれば、高は本田二三五石四斗四合、新田四六七石五斗七升二合、合計七〇二石九斗七升六合(当高四八二石六斗七升七合)であった。享保八年(一七二三)の雄勝郡郡村本村支村御高共調帳(秋田県庁蔵)では当高は変わらず「惣名唱、家数支郷之通」と記す。


軽井沢村
かるいざわむら

[現在地名]函南町軽井沢

狩野かの川の支流柿沢かきさわ川上流域にある丹那たんな盆地から北に入った山間にあり、南は丹那村、東は熱海村(現熱海市)。貞和二年(一三四六)の伊豆山密厳院雑掌宗泰申状案(醍醐寺文書)に「当郷之内宿在家号餉沢」とみえ、丹那郷内に「餉沢」という在家があった。享禄三年(一五三〇)一二月一日連歌師宗長が「餉沢」より山を越えて熱海へ湯治に出かけている(宗長日記)。天正八年(一五八〇)閏三月二二日北条氏は明樽を届けるため相模小田原より韮山にらやま(現韮山町)までの宿に伝馬一疋を命じ、「軽ママ沢」など三ヵ郷には役銭を与えている(「北条家伝馬手形写」真継文書)


軽井沢村
かるいざわむら

[現在地名]柳津町軽井沢、大沼郡新鶴にいつる上平うわだいら

高尾たかお(八六九メートル)の北麓、松坂まつざか峠と銀山ぎんざん(西勝峠)の鞍部に開かれた村で、銀山街道の駅所であった。小名銀山、端村市野いちの・上平・大谷地おおやちはいずれも村中より分岐する諸街道に沿う集落で、荷駄使役など助郷の役割を兼備した。村は山中の駅所で、いずれの宿からも一里以上の距離を有した。小名銀山は近世初期に大量の銀を採掘したことで名高い。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録に軽沢かるさわとあり、高一七五石余とある。越後街道の片門かたかど(現会津坂下町)に間の宿軽沢があり、まぎらわしいので当村を軽井沢とよぶようにしたという(柳津町誌)


軽井沢村
かるいざわむら

[現在地名]大内町軽井沢

仙北せんぼく郡との境に近い山村で、西は見岫みぐき村、南は山を隔てて大羽広おおはびろ村に接する。石橋いしばしおくたに七ッ鉢ななつばちに小集落があり、これを結んで道が通る。

慶長一七年(一六一二)の進藤但馬守某日野備中守某連署状に岩屋いわや領の一村として村名がある。寛永四年(一六二七)の油利新沢ノ内川池八ケ所打直免定之覚に新高二五石三斗七升六合、納米九石一斗三升六合、免三ツ六分とある。


軽井沢村
かるいざわむら

[現在地名]栃尾市軽井沢

周囲を山に囲まれ、北は比礼ひれい村、東は一之貝いちのかい村に接し、稚児清水ちごしみず川の源流に位置する標高四五〇メートル前後の村。西は乙吉おとよし(現長岡市)に境し、古くから栃尾郷と長岡とを結ぶ交通上の要地。草分と伝えられる茨木忠右衛門・茨木惣吉・茨木伝右衛門(一説には伝次右衛門)の三人が乙吉村から森立もつたて峠を越えて、一之貝寄りの境沢さかいさわに住着いたのが村の始まりという。


軽井沢村
かるいざわむら

[現在地名]大館市軽井沢

西流する米代川右岸の山麓に位置し、対岸上流に十二所じゆうにしよがある。正保四年(一六四七)の出羽一国絵図に四三石とみえる。集落の東部に大規模な館跡が現存、付近に新館しんたて館の上たてのうえの小字などが残る。

享保一五年(一七三〇)の戸数一七軒(六郡郡邑記)。それ以後の村勢は寛政一二年(一八〇〇)三〇戸、一六一人、安政四年(一八五七)五五戸、二四三人、同七年五五戸、二六七人(大館市史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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