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輸入冷凍エビの価格高騰 ゆにゅうれいとうえびのかかくこうとう

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知恵蔵2015の解説

輸入冷凍エビの価格高騰

2013年初頭から、エビの国内消費量の約9割を占める輸入冷凍品が高騰している問題。背景には円安や世界的な需要増も指摘されているが、最大の原因は「早期死亡症候群(EMS)」と呼ばれる養殖バナメイエビの大量死である。現在、日本の輸入冷凍エビは、芝エビに似た大きさのバナメイエビ(体長15cm前後)が大半を占めている。かつては大正エビに似たブラックタイガー(体長20cm以上)が多かったが、1990年代以降、病気に強く繁殖力でも勝るバナメイエビが、中国南部から東南アジアで養殖されるようになり、今世紀に入って輸入エビの主力の座を奪った。日本の主要な輸入先は、タイ、ベトナムインドネシア、中国である。
EMSは2009年、中国南部の養殖池で初めて発生が確認された。その後、東南アジア各地に広がり、12年末以降は最大の輸入相手国であるタイの養殖池にも大きな被害をもたらしている。13年のタイの生産量は、前年の4~6割ほどに落ち込むと予測されており、消費量が急増している中国を軸に、世界中でエビの争奪戦が激化している。
米国の研究機関によると、EMSは海中に生息する細菌(Vibrio parahaemolyticus)による感染が原因とみられる。しかし、広範囲に感染が拡大した理由は明らかになっていない。現在、養殖池では水環境を改善するなどの対策が講じられており、一定の成果も上がっているが、元の生産量に回復するまでには数年を要すると見られる。なお、国連食糧農業機関(FAO)は、EMSの人体への健康リスクはないと発表している。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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