改訂新版 世界大百科事典 「輸入貿易管理令」の意味・わかりやすい解説
輸入貿易管理令 (ゆにゅうぼうえきかんりれい)
〈外国為替及び外国貿易法〉の施行のための政令の一つで,輸入管理に関するもの(1949公布)。その4条1項において輸入承認制が定められている。すなわち,一定の場合,貨物の輸入をする者は当該貨物の輸入について,通産大臣の承認を受けなければならない。また,輸入割当制が定められており,通産大臣は輸入割当てを受くべき貨物を指定することができる(3条1項,9条)。輸入割当ての対象となる貨物を輸入する者は,当該貨物について割当てを受けた後でなければ,それの輸入承認を受けることができないとされている。なお,通産大臣は,輸入割当て,輸入承認について,条件を付すことができる。輸入貿易管理令は,農産物その他の物品の輸入制限の根拠となる政令として重要な役割を果たしている。ただし,近年のアメリカ等からの農産物輸入自由化要求の高まり等の中で,その当否をめぐってはいろいろ議論がある。
→農産物貿易 →貿易自由化
執筆者:松下 満雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報