輸出貿易管理令【ゆしゅつぼうえきかんりれい】
略して貿管令,単に貿易管理令とも。〈外国為替及び外国貿易法〉にもとづく,輸出の規制を定めた政令。日本の国際収支の均衡維持と外国為替および国民経済の健全化を図る。1949年に公布され,1981年に改正。 通産大臣の輸出承認,輸出特例,税関の確認,輸出の事後審査,輸出承認の有効期間,法令の違反に対する制裁の通知,報告の徴収,権限および事務の委任などについて定めている。これにより通産大臣は輸出に一時的に制限を加えたり,完全にストップすることができる。 近年では,日本側の事情よりも国際取決めによる規制が多くなっている。1996年11月COCOM(対共産圏輸出統制委員会)に代わる武器輸出の管理体制である〈ワッセナー協約〉が発効,貿管令改正で輸出許可が必要な汎用品の範囲が縮小された。1997年4月,〈化学兵器禁止条約〉の発動を受けて貿管令が改正され,化学工場への産業検証制度が導入。その後も国際的な安全保障上の観点からとして,原子力関連,核兵器・化学兵器関連資機材,ミサイル関連機材などが輸出制限品目に定められている。
→関連項目貿易管理令
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
輸出貿易管理令
ゆしゅつぼうえきかんりれい
昭和 24年政令 378号。外国為替及び外国貿易法 (外為法) の委任に基づき,国際的な平和・安全の維持または国際収支の均衡の維持と外国貿易,国民経済の健全な発展の見地から,特定の地域を仕向地とする特定の貨物などの輸出の許可制または承認制を定める政令。いわゆる武器輸出三原則が盛り込まれているほか,1994年3月に廃止された対共産圏輸出統制委員会 (→ココム ) 規制による輸出制限なども盛り込まれていた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ゆしゅつぼうえきかんり‐れい〔ユシユツボウエキクワンリ‐〕【輸出貿易管理令】
外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく輸出の具体的な手続きを定めた政令。国際的な平和維持や国内需要の確保、国際協定の遵守などの観点から、輸出に際して経済産業大臣の承認が必要な品目を示す。また、輸出相手国の分類も定める。→ホワイト国 →非ホワイト国
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ゆしゅつぼうえきかんりれい【輸出貿易管理令】
輸出貿易管理令は,〈外国為替及び外国貿易法〉(外為法)の実施に関する政令の一つで,輸出の規制に関するものである。1949年公布。なお輸入に関しては輸入貿易管理令がある。両者を総称して貿易管理令ということもあるが,一般には貿易管理令は輸出貿易管理令の略称として使われる。これによると,通産大臣は,一定の場合には,特定商品を輸出承認制のもとにおくことができる。輸出承認制がしかれると,当該商品を輸出しようとする者は,事前に通産大臣の承認を受けねばならぬことになり,通産大臣は,国際収支の均衡を維持し,ならびに外国貿易および国民経済の健全な発展を図るための必要があると認めるときは,輸出承認をせず,または輸出承認に条件を付すことができるとされている。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報