ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「農地信託制度」の意味・わかりやすい解説 農地信託制度のうちしんたくせいど 1962年5月の農業協同組合法一部改正によって設置された制度。信託とは,所有権を受託者に移転して行うものであるが,農地などの引受け業務は信用事業を行う農業協同組合だけに限られ,信託財産の範囲は農地と採草地である。信託事業の内容は農地の貸付けまたは売渡しで,農地信託の委託者から農協への所有権の移転は農地法の制約を受けない。この制度は離村の際に農地を売りたいが買手が見つからない場合とか,離村しても農地を手放したくない場合に利用されることを目的としたものである。市街化区域内農地の組合員資産管理などを目的とする宅地等供給事業 (1970年,農地等処分事業として成立) が農協法によって認められたが,近年,市街化区域をおもな拠点とする都市農協においては宅地運用に関心が高まり,一般の土地信託事業の動きが活発化するとともに農地の土地運用委託も注目されている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by