近藤朔風(読み)こんどうさくふう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「近藤朔風」の意味・わかりやすい解説

近藤朔風
こんどうさくふう
(1880―1915)

訳詞家。本名逸五郎。東京外国語学校卒業後、東京音楽学校選科声楽を学ぶ。1903年(明治36)同校でのオペラオルフェウス上演の際、石倉小三郎らと訳詞を担当。英・独・仏語に通じ声楽もよくした彼は、その後も『音楽新報』誌上にシューベルトの『菩提樹(ぼだいじゅ)』『海の静寂』『終焉(しゅうえん)』、シューマンの『花乙女』などの訳詞を発表、これらは小松耕輔(こうすけ)編著『名曲新集』(1909)に収録された。草創期の日本楽壇のために多くの名訳を残した功績は大きく、『野ばら』『ローレライ』『久しき昔』などは今日でも親しまれている。

[川口明子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「近藤朔風」の解説

近藤朔風 こんどう-さくふう

1880-1915 明治-大正時代の訳詞家。
明治13年生まれ。東京外国語学校(現東京外大)卒業後,東京音楽学校(現東京芸大)選科で声楽を研究,ドイツ近代歌曲にあたらしい訳詞をつけて紹介した。「野ばら」「ローレライ」などは今もしたしまれている。大正4年1月15日死去。36歳。本名は逸五郎。編著に「独唱名曲集」など。

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