最新 地学事典 「逆級化層理」の解説
ぎゃくきゅうかそうり
逆級化層理
inverse graded bedding
単層内において,砕屑物が下底面から上に向かって粗粒化する成層状態。特に,河川の自然堤防などの微高地に堆積した洪水氾濫堆積物に普遍的。茨城県桜川で初めて認められ,その後日本のさまざまな規模の現世河川と第四系中で発見されている。世界の河川での報告例はまれ。蛇行河川(自然堤防帯)の場では,層理は基底のシルトに始まり,上方にしだいに粗くなり上面は中粒砂であることが多い。層理上半部にはやや不明瞭ながらカレントリップルやクライミングリップルを伴うことがある。層理の厚さは数cm~十数cm。一方,礫質網状河川(扇状地)では上記のほかに,細~中粒砂から始まり細礫混じりの粗粒砂を経て砂礫に至るものもある。最上部の最大粒径は大礫のこともある。ごく基底部を除き,砂質部には平行葉理や斜交葉理が発達し,礫質部は平行成層またはフォアセット葉理をなす。層厚は十数cm~50cm程度。洪水規模,河床からの高さ,河岸からの距離,河床構成物質などの違いによって,厚さ・粒度・内部堆積構造はさまざまに変化。1回の洪水で1枚の逆級化層理ができることが多いが,二重・三重の逆級化を示すこともある。また,側方に正級化,均質,フォアセットをなす層理に変化することがある。
執筆者:鈴木 一久

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

