婚姻の一形態。世界各地の諸民族は、特定の間柄にある男女間の婚姻を優先したり、あるいは禁止したりする規制をおのおのもっている。このような婚姻規制の一つが逆縁婚である。逆縁婚とは、配偶者の一方が死亡した場合に、死亡した配偶者の兄弟あるいは姉妹と再婚するという婚姻形態であるといちおう定義できる。しかし、再婚の相手として、死亡した配偶者の実際の兄弟姉妹ではなく、その配偶者の親族集団内の類別上の兄弟姉妹が選ばれることもあり、この場合も広い意味での逆縁婚である。
逆縁婚は、寡婦が亡夫の兄弟と結婚する兄弟逆縁婚(レビレート婚levirate)と、寡夫が亡婦の姉妹と結婚する姉妹逆縁婚(ソロレート婚sororate)の二つの形態に分類される。
[栗田博之]
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…日本では,氏族時代に禁婚範囲は狭く異母兄妹姉弟間の結婚も認め,直系姻族間の禁止は律令時代に入ってからで,江戸時代は武家家族の儒教倫理=親族内の身分階層の厳格性の確立から範囲は拡大し,先妻の子と後妻の連れ子間の結婚も禁じた。明治前期では外国法の影響からか,逆縁婚(夫の兄弟との再婚)が禁止や特別許可となり,順縁婚(妻の姉妹との再婚)も特別許可を要するなど,その扱いは一定しなかったが,明治民法は日本の慣習に従いこれらになんらの制限も付さなかった。現行民法は明治民法の近親婚扱いをそのまま継承している。…
…弟が亡兄の身代りとなってその妻を引き継ぐ慣習。狭義には,弟は亡兄の単なる代理にとどまる。この場合新たな結婚式をあげず,“死者と結婚している”ことになっている兄の妻と同棲し,生まれてくる子も亡兄の子として扱われる。これに類縁の形態として亡霊婚がある。これは未婚の死者の親族が死者の名義で結婚し,死者の後継ぎを得るもので,弟が亡兄の名義で結婚した場合には,レビレートの極端な形態とみなすこともできる。両者とも典型的な例はアフリカの父系社会に多くみられる。…
※「逆縁婚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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