透垣(読み)スイガイ

デジタル大辞泉 「透垣」の意味・読み・例文・類語

すい‐がい【透垣】

《「すきがき」の音変化》板と板、または竹と竹との間を、少し透かしてつくる垣。すいがき。
「所どころの立蔀たてじとみ、―などやうのもの、乱りはし」〈野分

すい‐がき【透垣】

すいがい(透垣)」に同じ。
本院の―に朝顔の花の咲きかかりて」〈詞花・秋・詞書

すき‐がき【透垣】

すいがい(透垣)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「透垣」の意味・読み・例文・類語

すい‐がい【透垣】

〘名〙 (「すきがき」の変化した語。「すいかい」とも) 垣の一種。柱の間に通した貫(ぬき)表裏から細板または割竹(わりだけ)を交互に打ち並べたもの。すいがき。
※山田集(947‐957頃)「まへのすいかいに、あさがほのさきて侍しをみて」
※枕(10C終)七四「立蔀(たてじとみ)・すいがいなどのもとにて、雨降りぬべしなど聞えごつもいとくし

すい‐がき【透垣】

〘名〙 (「すいかき」とも) =すいがい(透垣)
※前田本枕(10C終)二七二「立蔀、すいかきなどのもとに寄り来て」
※八代集抄本詞花(1152頃)秋・一一四・詞書「本院のすいがきに、朝顔の花咲きかかりて侍りけるを」

すき‐がき【透垣】

〘名〙 =すいがい(透垣)〔伊京集(室町)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の透垣の言及

【垣】より

…平安時代から鎌倉時代にかけての貴族住宅の様式である寝殿造では,敷地の周囲に築地をめぐらすほか,建物の周囲や庭の仕切りに多くの種類の垣が用いられた。そのうち,檜垣(ひがき)はヒノキの薄板を網代(あじろ)のように編んだものを木製の枠に張ったもの,透垣(すいがき)は割竹を縦に編むように木製の枠に張ったもので,立蔀(たてじとみ)(格子に薄板を張ったもの)とともに建物の近い周囲に多く用いられた。そのほか中世の武士や庶民の住いなどでは,枝つきの木を人字形に組んだ鹿垣(ししがき)や柴垣,竹を編んだ垣,木枝や竹を格子状に組んだ籬(まがき),種々の樹木を植えた生垣(いけがき)が多く用いられた。…

【塀】より

…数寄屋建築などに用いる塀で,杉皮を縦に張って竹で押さえたものも大和塀と呼んでいる。板を透かして張った見通しのきく塀は透垣(すいがい)または透塀(すきべい)というが,近世の神社や霊廟で用いられる透塀は,板ではなく格子あるいは菱格子をはめ欄間あるいは腰下に彫刻を付けて屋根を設けたものが多い。後者の代表的な遺例としては日光東照宮のものがよく知られている。…

※「透垣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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