遠見岬神社(読み)とみさきじんじや

日本歴史地名大系 「遠見岬神社」の解説

遠見岬神社
とみさきじんじや

[現在地名]勝浦市浜勝浦 宮山

勝浦湾を眼下に見下ろす高台に鎮座祭神天富命、旧郷社。近世にはとみ明神(富大明神)と称された。斎部(忌部)氏の祖とされる天富命は房総を開発した神で、安房国一宮の安房神社(現館山市)などの祭神でもある。天富命は四国阿波斎部を率いて沃土を求めて東国に来て、房総の名のもととなる麻を播植したが、当地には勝占斎部須須立命を派遣し、土民に漁業を教えた。この命の名が勝浦の地名となったという。天富命の没後、命の居跡の富貴ふき島に神祠を祀ったという。慶長六年(一六〇一)富貴島が海中に陥没し、社殿は漂着地に遷座。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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