郷土文学(読み)きょうどぶんがく(その他表記)Heimatdichtung

精選版 日本国語大辞典 「郷土文学」の意味・読み・例文・類語

きょうど‐ぶんがくキャウド‥【郷土文学】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 郷土風俗伝説などを題材とした、地方色豊かな文学
  3. 一地方の住民または民族が生み出した、民謡・伝説など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「郷土文学」の意味・わかりやすい解説

郷土文学
きょうどぶんがく
Heimatdichtung

一般的には,郷土の生活,民俗風景などをふまえて,独自の地方的色彩を濃厚に打出す文学のことで,いずれの国でも各地方によって多種多様な郷土文学がつくりだされている。しかし郷土文学が一つの文学運動として成果をあげたのは,19世紀末ドイツの「郷土芸術」運動である。これは郷土文学を国民文学の地方的な傍流とする立場を排して,この土に即した文学こそ国民文学の中枢的,恒常的要素であることを主張したものである。 G.フレンセンの『イェルン・ウール』 (1901) はこの運動が生んだ最高傑作とされる。郷土文学はのち「血と土」の文学理論との関連によりナチスから称揚された。 (→ナチス文学 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android