鄙振り(読み)ヒナブリ

デジタル大辞泉 「鄙振り」の意味・読み・例文・類語

ひな‐ぶり【×鄙振り/夷曲/×夷振り】

田舎めいていること。また、そのもの。
上代歌謡の一。地方の歌が宮廷に取り入れられ、大歌になったもので、その歌詞から名づけられたものらしい。
狂歌のこと。
「きさまも―の一首もよむじゃあねえか」〈魯文西洋道中膝栗毛

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精選版 日本国語大辞典 「鄙振り」の意味・読み・例文・類語

ひな‐ぶり【鄙振・夷振・夷曲】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上代の歌曲の一つ。楽府(がふ)でそのいなかふうの節奏によって名づけたものか。一説に、歌詞による名。
    1. [初出の実例]「天なるや 弟棚機(おとたなばた)の うながせる 玉の御統(みすまる) 御統に 穴玉はや み谷 二渡らす 阿治志貴 高日子根の神そ とうたひき。此の歌は夷振(ひなぶり)ぞ」(出典古事記(712)上)
  3. いなかふうであること。また、そのような詩歌
    1. [初出の実例]「されども何としてもいなかわ物がひなふりて悪ぞ」(出典:古活字本毛詩抄(17C前)一二)
  4. ( 優雅な短歌に対して ) 狂歌のこと。〔狂歌・古今夷曲集(1666)〕

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