重阪峠(読み)へいさかとうげ

日本歴史地名大系 「重阪峠」の解説

重阪峠
へいさかとうげ

かぜもり峠と並び、大和と紀伊を結ぶ交通の要所。大字古瀬こせから重阪の分水嶺(約二〇二メートル)を越え、風ノ森に通ずる高野こうや街道と合する。新道は明治六年(一八七三)二月の開通で、峠頂上に開通記念碑が立つ。

貞和四年(一三四八)吉野行宮を攻めた北朝方の高師直がこの峠を通り、嘉永六年(一八五三)三月の吉田松陰の「癸丑遊歴日録」には「二十一日晴五条を発し、辺阪嶺へさかとうげを踰え、田井庄に至る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「重阪峠」の意味・わかりやすい解説

重阪峠
へさかとうげ

奈良県中西部、御所(ごせ)市と五條(ごじょう)市との境界にある峠。竜門(りゅうもん)山地の阿田峰(あだみね)丘陵西端にある鞍部(あんぶ)で、標高203メートル。古代飛鳥(あすか)と吉野川流域や紀州を結ぶ巨勢道(こせみち)の要所で、江戸時代も社寺参りで栄えた。1873年(明治6)新峠が開かれたが、その後JR和歌山線、国道24号が開通したため衰微した。

[菊地一郎]

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