野僧(読み)ヤソウ

デジタル大辞泉 「野僧」の意味・読み・例文・類語

や‐そう【野僧】

[名]田舎僧侶。また、僧侶を軽蔑していう語。
「茶飲まん、訪はんと云ひて、つひに訪はず。―なり」〈胆大小心録
[代]一人称人代名詞。僧侶が自分をへりくだっていう語。拙僧
「もし飢ゑ給ふとならば、―が肉に腹を満たしめ給へ」〈読・雨月・青頭巾〉

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精選版 日本国語大辞典 「野僧」の意味・読み・例文・類語

や‐そう【野僧】

[1] 〘名〙 いなかの僧侶。小さな寺に居たり、山野を放浪したりしている僧。また、僧侶を軽蔑していうのにも用いる。
※明極楚俊遺稿(14C中か)山居「幽居無野僧家、白屋三間護紫霞」 〔張籍‐贈王秘書詩〕
[2] 〘代名〙 自称。僧侶が謙遜して用いる語。野衲(やのう)。拙僧。
浄瑠璃・都の富士(1695頃)縁起「され共野僧、〈略〉御悩平安ならしめたり」

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普及版 字通 「野僧」の読み・字形・画数・意味

【野僧】やそう

野を旅する僧。宋・陸游〔成都歳暮、始めて微寒あり。小酌して興を遣(や)る〕詩 身は野に似て、ほ髮り 門は村舍の如く、強ひて官に名づく

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