野方廃寺(読み)のかたはいじ

日本歴史地名大系 「野方廃寺」の解説

野方廃寺
のかたはいじ

[現在地名]東郷町野方

舎人とねり川が形成した狭小な平野を望む丘陵先端部に位置する奈良時代の寺院跡。野方集落内の宝垣たからがきとその周辺で瓦類の出土がみられる。未発掘で現在は宅地に取込まれており、伽藍配置などは不明。以前には塔心礎と考えられる大型の石や礎石遺存していたが、今は失われ一部の礎石は方地の覚善ほうじのかくぜん寺に移されているという。遺物として軒丸瓦三種・軒平瓦二種と鴟尾断片などが出土。創建期の軒瓦は、単弁八弁蓮華文軒丸瓦で、時期は白鳳時代の七世紀中頃に位置付けられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android