野沢松之輔(読み)ノザワ マツノスケ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「野沢松之輔」の解説

野沢 松之輔
ノザワ マツノスケ


職業
義太夫節三味線方(文楽)・作曲

専門
人形浄瑠璃,三味線

肩書
豊本節宗家 重要無形文化財保持者(人形浄瑠璃文楽・三味線)〔昭和47年〕

本名
西内 重男(ニシウチ シゲオ)

別名
前名=野沢 吉左,別名=豊本 豊輔(トヨモト トヨスケ),号(脚色・作曲)=西亭(ニシテイ)

生年月日
明治35年 1月25日

出生地
和歌山県 和歌山市

経歴
大正6年6代目野沢吉兵衛に入門、吉左を名乗り、文楽座に入座。昭和17年松之輔と改名。4代目竹本南部太夫らの相三味線をつとめるかたわら、西亭の名で近松物の復曲や、新作の作曲に活躍し、主な作品に「曽根崎心中」「鑓の権三重帷子」「女殺油地獄」「夫婦善哉」「楢山節考」「お蝶夫人」などがある。また29年には義太夫小唄の豊本節を創始し、自ら宗家となり、豊本豊輔と名乗った。47年人間国宝に認定される。

受賞
紫綬褒章〔昭和43年〕,勲四等旭日小綬章〔昭和49年〕

没年月日
昭和50年 1月13日 (1975年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「野沢松之輔」の解説

野沢 松之輔
ノザワ マツノスケ

大正・昭和期の義太夫節三味線方・作曲家 豊本節宗家。



生年
明治35(1902)年1月25日

没年
昭和50(1975)年1月13日

出生地
和歌山市

本名
西内 重男

別名
前名=野沢 吉左,別名=豊本 豊輔,西亭

経歴
大正5年6代目野沢吉兵衛に入門、吉左を名のる。昭和17年松之輔と改名。4代目竹本南部太夫らの相三味線をつとめるかたわら、西亭の名で近松物の復曲や、新作の作曲に活躍し、主な作品に「曽根崎心中」「お蝶夫人」などがある。また29年には「豊本節」を創始し、自ら宗家となり、豊本豊輔と名のった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「野沢松之輔」の意味・わかりやすい解説

野沢松之輔
のざわまつのすけ
(1902―1975)

義太夫(ぎだゆう)節の三味線。本名西内重男。1917年(大正6)に文楽(ぶんらく)座入座以来、堅実な芸で3世竹本春子大夫や3世竹本相生(あいおい)大夫の相三味線を勤めた。42年(昭和17)松竹会長白井松次郎から一字を贈られ、初名の吉左を松之輔と改名。作曲に意欲を燃やし、西亭(にしてい)の名で『曽根崎(そねざき)心中』『お蝶(ちょう)夫人』ほか約160曲を残した。72年重要無形文化財保持者に認定。なお54年には「豊本節(とよもとぶし)」を創始し、豊本豊輔を名のった。

[倉田喜弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「野沢松之輔」の解説

野沢松之輔 のざわ-まつのすけ

1902-1975 大正-昭和時代の浄瑠璃(じょうるり)三味線方。
明治35年1月25日生まれ。6代野沢吉兵衛に入門,昭和17年吉左から松之輔に改名。3代竹本春子大夫らの相三味線をつとめる。近松門左衛門の作品をはじめ,多数の曲を復曲,作曲した。29年豊本節を創始。47年人間国宝。昭和50年1月13日死去。72歳。和歌山県出身。本名は西内重男。作曲に「お蝶夫人」「曾根崎心中」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「野沢松之輔」の意味・わかりやすい解説

野沢松之輔
のざわまつのすけ

[生]1902.1.25. 和歌山
[没]1975.1.13.
義太夫節の三味線方。本名西内重男。6世野沢吉兵衛に師事し,1942年松之輔となる。3世豊竹呂太夫,竹本相生太夫らの相三味線をつとめた。『曽根崎心中』『女殺油地獄』ほか多数作曲。 72年重要無形文化財保持者に認定された。

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367日誕生日大事典 「野沢松之輔」の解説

野沢 松之輔 (のざわ まつのすけ)

生年月日:1902年1月25日
大正時代;昭和時代の義太夫節三味線方;作曲家。豊本節宗家
1975年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の野沢松之輔の言及

【竜虎】より

…作詞大野恵造。作曲野沢松之輔。振付坂東三津之丞。…

※「野沢松之輔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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