金光明最勝王経(読み)コンコウミョウサイショウオウキョウ

デジタル大辞泉 「金光明最勝王経」の意味・読み・例文・類語

こんこうみょうさいしょうおうきょう〔コンクワウミヤウサイシヨウワウキヤウ〕【金光明最勝王経】

大乗経典。10巻。「金光明経」を唐の義浄漢訳したもの。「金光明経」の漢訳のうち最も詳細で名高い。

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精選版 日本国語大辞典 「金光明最勝王経」の意味・読み・例文・類語

こんこうみょうさいしょうおう‐きょうコンクヮウミャウサイショウワウキャウ【金光明最勝王経】

  1. 仏教経典の一つ。この経を聞いて信受するところには四天王など諸天善神加護が得られると説いた経典。唐の義浄の訳、一〇巻、三一品。曇無讖訳の金光明経の異訳であるが、内容は増広されている。仁王経法華経と共に国家鎮護の三部経とされている。最勝王経。金光明経。
    1. [初出の実例]「恒生歓喜者、冝天下諸国各敬造七重塔一区、并写金光明最勝王経、妙法蓮華経各一部」(出典:続日本紀‐天平一三年(741)三月乙巳)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「金光明最勝王経」の解説

金光明最勝王経
こんこうみょうさいしょうおうきょう

曇無讖(どんむせん)訳の「金光明経」,隋の宝貴訳の「合部金光明経」,唐の義浄(ぎじょう)訳の「金光明最勝王経」の3訳が現存する。この経を広宣読誦する国王があれば,その国土人民を四天王などが擁護することを説き,「仁王経」「法華経」とともに護国の経典として重んじられた。御斎会(ごさいえ)・最勝会などの国家的法会で講説され,国分寺建立の詔に一部が引用された。国分寺が金光明四天王護国之寺と称されたのもこの経による。

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旺文社日本史事典 三訂版 「金光明最勝王経」の解説

金光明最勝王経
こんこうみょうさいしょうおうきょう

奈良時代鎮護国家の経として重んじられた経典
『金光明経』の漢訳。10巻。唐の義浄の訳。この経典が読誦される国を四天王が守護すると説き,写経されて諸国の国分寺に置かれた。

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世界大百科事典(旧版)内の金光明最勝王経の言及

【金光明経】より

…サンスクリット本,チベット訳,漢訳のほか,ウイグル語,満州語,蒙古語などに訳され,東アジアに広く普及したことが知られる。漢訳は5種あったが,現存するのは,曇無讖(どんむしん)訳《金光明経》4巻(5世紀初め),宝貴らが従来の諸訳を合糅(ごうじゆう)した《合部金光明経》7巻(597),義浄訳《金光明最勝王経》10巻(703)の3種で,後世重視されたのは義浄訳である。内容は,仏の寿命の長遠性,金光明懺法,四天王による国家護持や現世利益など雑多な要素を含み,密教的な色彩が強い。…

【鎮護国家】より

…鎮国ともいう。多くの仏典のなかにあって護国思想の顕著な《仁王般若(にんのうはんにや)経》《金光明(こんこうみよう)最勝王経》《法華経》の護国三部経のほかに,《大般若経》などが用いられた。もともと出世間の教えを説く仏教が,中国に伝来し教団勢力が形成されると,国家権力によって保護され統制され,利用されるようになる。…

※「金光明最勝王経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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