金武(読み)きん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金武」の意味・わかりやすい解説

金武(町)
きん

沖縄県、沖縄本島中部の東海岸にある町。国頭郡(くにがみぐん)に属する。1980年(昭和55)町制施行。方音チン。脊梁(せきりょう)山地から、比較的平坦(へいたん)な海岸段丘金武湾に迫る。国道329号と沖縄自動車道(金武インターチェンジ、屋嘉(やか)インターチェンジがある)が走る。1899年(明治32)沖縄初の海外移民が行われ、以後多くの移民を出した。第二次世界大戦前は純農村であった。町域の55.6%(2022)がアメリカ軍基地で、経済的な基地依存度は高い。農業はサトウキビを中心にパイナップル、茶のほか、田芋、熱帯果樹、花卉(かき)などを栽培。県下有数の湧泉(ゆうせん)「金武大川(おおかわ)」や金武日秀(にっしゅう)洞がある。面積37.84平方キロメートル(一部境界未定)、人口1万0806(2020)。

堂前亮平]

『『金武町誌』(1983・金武町)』『『金武町史』全2巻(1996~2002・金武町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「金武」の意味・わかりやすい解説

金武[町] (きん)

沖縄県国頭(くにがみ)郡の町。沖縄島(本島)中部の東海岸にある。1980年町制。人口1万1066(2010)。脊梁山地から比較的平たんな隆起海食台が緩傾斜をなし金武湾に迫る。1899年町出身の当山(とうやま)久三らによって沖縄初の海外移民が行われ,町民を中心にハワイへ移民を送り出したことで知られる。1960年ころまでは純農村であったが,2009年現在,町面積の約60%はアメリカ軍基地(キャンプハンセン)に占められ,基地に依存するサービス業中心の第3次産業が大きな比重を占めている。農業はサトウキビ,茶,花卉などが栽培される。また,肉用牛,乳用牛,豚,採卵鶏畜産も盛んである。沖縄自動車道の屋嘉(やか)と金武の二つのインターチェンジがある。住民共同の生活用水として利用されている金武大川は石灰岩からの湧泉で,沖縄で最大級(湧水量2700kl/日)のものである。史跡として16世紀の金武観音寺がある。
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百科事典マイペディア 「金武」の意味・わかりやすい解説

金武[町]【きん】

沖縄島東岸のほぼ中央部,国頭(くにがみ)郡の町。田イモ,サトウキビ栽培,畜産などが主産業。米軍海兵隊のキャンプ・ハンセンがある。1996年日米首脳会談で米軍の実弾射撃訓練場の移転が基本合意された。尚真王時代の金武観音寺には鍾乳洞がある。沖縄自動車道が通じる。37.84km2。1万1066人(2010)。

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