③ バラ科の多年草。日本各地およびサハリン、朝鮮、中国、台湾などの山野や路傍に生える。高さ〇・五~一・五メートル。全体に短毛を密生。葉は奇数羽状複葉、側小葉は大きさ不整で数対、このうち大形のものは二~三対。大形の側小葉と頂小葉は長さ三~五センチメートルの長楕円状披針形で縁に鋸歯(きょし)がある。夏から秋、茎の先で分枝して穂を出し、小さな黄色の五弁花をつける。萼(がく)は果時まで残り、裂片の先が多数のかぎ状の毛となり、これが動物などに付着して種子散布に役立つ。漢名、龍牙草。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕