金町・松戸関所跡(読み)かなまち・まつどせきしよあと

日本歴史地名大系 「金町・松戸関所跡」の解説

金町・松戸関所跡
かなまち・まつどせきしよあと

[現在地名]葛飾区東金町八丁目

江戸時代、水戸道が江戸川を渡る金町と下総松戸町間(大向渡)に置かれた関所で、金町村側に番所があった。元和二年(一六一六)幕府利根川および江戸川筋に定めた一六定船場のひとつ。寛永八年(一六三一)幕府年寄衆が利根川筋房川ぼうせん(中田関所・栗橋関所、現埼玉県栗橋町)と当地に宛てた文書に「金町御番衆」と記され(「金町御番衆中宛覚」松戸市史)、当時すでに渡船場が関所として機能していたとみられる。当地は奥州や房総方面から陸路で江戸に入る関門であり、防衛上重要な地であった。関所は関東郡代が管掌したが、伊奈氏の失脚後は幕府代官があたった。実際の業務は金町御番所人改中とよばれる四人の関所番人が遂行し、二〇俵四人扶持であった(風土記稿)


金町・松戸関所跡
かなまち・まつどせきしよ

元和二年(一六一六)に幕府が利根川筋および江戸川筋に定めた一六の定船場の一つ松戸渡に置かれた川関所。幕府はこれら一六の定船場以外での旅行者の往来を禁止し、女人・手負者や不審者の取締を図った。のち定船場は関所としての機能をいっそう強化していく。武蔵国金町(現東京都葛飾区)とを結んだ定船場松戸渡がいつ頃から関所となったのかは明らかではない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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