日本大百科全書(ニッポニカ) 「金融四法」の意味・わかりやすい解説
金融四法
きんゆうよんぽう
バブル崩壊後、住宅金融専門会社(住専)や信用組合などの経営破たんが相次いだことを受けて、破たん金融機関の適切な処理や信用秩序の維持などを目的に定められた四つの法律。具体的には「特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法」(住専処理法)「金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律」(健全性確保法)「金融機関の更生手続の特例等に関する法律」(更生特例法)「預金保険法の一部を改正する法律」(改正預金保険法)をさす。いずれも1996年6月21日公布。
住専処理法は、巨額の不良債権を抱えて経営が行き詰まった住専についてその処理方法を定めた法律で、不良債権等の強力な回収および関係者の責任追及のための体制整備を図ることをおもな内容としている。健全性確保法は、金融機関に対する早期是正措置の導入、協同組織金融機関における監査体制の充実などの制度整備を行うため、銀行法、信用金庫法、協同組合による金融事業に関する法律など合計13の法律を一括して改正したものである。更生特例法は、金融機関の破たん処理について、従来からの行政的手法に加えて、司法上の倒産手続にかかわる制度の整備を行い、早期の処理が行えるようにした。改正預金保険法は、ペイオフ制度の改善、預金等債権の買取り制度の創設、法施行後5年間における預金保険機構が行う資金援助の特例などを定めている。
[編集部]