銀行などの金融機関が融資した元本や利子が返済されない、あるいは返ってくる見込みのほとんどない債権のこと。バブル経済崩壊後の長引く不況や地価下落で、民間金融機関の不良債権額は累計で100兆円を大きく上回る額に膨らんだ。このため不良債権処理は日本経済が「失われた十年」から抜け出すための最重要課題とされ、2002年(平成14)、小泉純一郎政権は不良債権を2005年3月末までに半減させる目標を掲げ、バブル崩壊後の長引く不況から脱却する道筋をつけた。
不良債権の分類には、返済状況を重視する「リスク管理債権」、借り手の財務状況を基準とする「再生法開示債権」、借り手が返済できるかどうかを金融機関自身が査定する「自己査定分類債権」の三つがある。自己査定分類債権で不良債権予備軍といわれる要注意先債権まで含めた広義の不良債権額(問題債権)は一時150兆円程度に達したこともあり、不良債権の実態を知るうえで、自己査定分類債権を重視する傾向がある。
不良債権の処理には、企業の倒産などに備えて貸倒引当金を積む「間接償却」と、債権を帳簿から消し去る「最終処理」(不良債権のオフバランス化)の二つがある。バブル崩壊後、日本の金融機関は間接償却に力を入れたが、地価下落による担保価値の低下や融資先企業の倒産で不良債権を処理しても次々に発生するいたちごっこに陥っていた。このため小泉政権は総合デフレ対策の一環として2002年10月に金融再生プログラムを策定。必要に応じて公的資金を注入しながら、(1)融資先を会社更生法などで法的に整理して不良債権を直接償却する、(2)融資先の借金を棒引きする、(3)不良債権を産業再生機構や整理回収機構など第三者へ売却する、といった三種類の手法による最終処理を促した。
2008年からの世界金融危機で、日本の金融機関はふたたび不良債権の増大に直面。とくに地方銀行以下の地域金融機関が不良債権問題を抱えている場合が多く、政府は金融機能強化法を改正するなどして、公的資金注入も選択肢としながら、不良債権処理と再編による金融機関の体質強化に取り組んでいる。
[矢野 武]
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