百科事典マイペディア
「銑鋼一貫作業」の意味・わかりやすい解説
銑鋼一貫作業【せんこういっかんさぎょう】
製銑・製鋼・圧延の3段階の作業を同一製鉄所で一貫して行う近代的な鉄鋼生産方式。溶銑をそのまま製鋼炉に装入でき,高炉ガス,コークス炉ガスを所内の各種熱源に利用できるなど,熱経済上の利益が大きいほか,運搬の合理化,統一的管理による品質向上とコスト低下などが図れる。この方式の採用には生産規模の大きいことが必要で,鉄鋼需要の増大した19世紀末に実現した。→製鉄所
→関連項目製鉄|鉄鋼業
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
Sponserd by 
銑鋼一貫作業
せんこういっかんさぎょう
integrated iron and steel works
鉄鋼の製造は通常,高炉を用いて鉄鉱石から銑鉄をつくる製銑工程,転炉によって銑鉄を精錬して鋼塊をつくる製鋼工程,鋼塊を圧延,加工して鋼材とする圧延工程に分けられるが,この3段階の作業を総合して行うことをいう。製鉄作業は,熱効率上も,原料や製品の取扱い上も主要作業を1ヵ所に集中することが有利であるところから,典型的な大資本産業となるため,現在,日本には銑鋼一貫メーカー (高炉メーカー ) は新日鉄,日本鋼管,神戸製鋼,川崎製鉄,住友金属の大手5社と中山製鋼所合同製鉄などがある。一貫作業の形態をとらない企業としては平炉メーカー,圧延メーカーなど銑鉄生産以後の1~2工程を手がけるものや,屑鉄,仕損じ品などを再圧延する伸鉄メーカーなどがある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 