鋼塊(読み)コウカイ

デジタル大辞泉 「鋼塊」の意味・読み・例文・類語

こう‐かい〔カウクワイ〕【鋼塊】

インゴット

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精選版 日本国語大辞典 「鋼塊」の意味・読み・例文・類語

こう‐かいカウクヮイ【鋼塊】

  1. 〘 名詞 〙 溶かした金属を型に流し込んで固めたもの。これを加工して製品とする。鋳塊。インゴット。

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百科事典マイペディア 「鋼塊」の意味・わかりやすい解説

鋼塊【こうかい】

転炉平炉で精錬した溶鋼圧延または鍛造に適した大きさ,形にするため,鋼塊鋳型(インゴットケース)に注入,凝固させた塊。鋳込法により上注ぎ鋼塊と下注ぎ鋼塊に分け,用途に応じて角形・扁平形・丸形などの断面形状が選ばれる。また溶鋼の脱酸程度によってキルド鋼塊,セミキルド鋼塊,リムド鋼塊などの別がある。
→関連項目インゴット鋼片

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鋼塊」の意味・わかりやすい解説

鋼塊
こうかい
steel ingot

鋼材インゴット。通常1個数tないし数十tで,型抜きの便宜上テーパをつけた鋳鉄製鋳型に溶解炉で成分調整した溶鋼を注入してつくる。断面は角を丸めた角形または扁平形。湯 (溶鋼) を鋳造前に十分脱酸すると気泡のない良質の鋼塊を得るが,凝固収縮のため頂部に引け巣 (空洞) ができるから大きな押し湯を必要とし,これはあとで切取るのでそれだけ歩どまりが悪い。これをキルド鋼塊といい,高級鋼材である。脱酸不十分の溶鋼を適当な凝固速度で鋳造すると気孔は鋼塊周辺部に細かく出て,そのため引け巣ができず歩どまりがよい。これをリムド鋼塊という。普通鋼材に用いる。セミキルド鋼塊は両者の中間である。溶湯は容量 50~150tで底部ストッパーのついた取鍋 (とりべ) に入れて走行クレーンで運び,ストッパーを上げて鋳型に注入する。鋳型は鋳造前に内面をよく清掃し,融着を防ぐためタールまたは石油系の塗材を塗る。鋼塊は銑鉄よりも炭素の含有量が少いので弾力性に富み,鋼塊の重さは外売用の小形鋼塊 (300kg程度から) を除いては,大型の 20t程度のものが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「鋼塊」の意味・わかりやすい解説

鋼塊 (こうかい)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鋼塊」の意味・わかりやすい解説

鋼塊
こうかい

鋳塊

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世界大百科事典(旧版)内の鋼塊の言及

【インゴット】より

…狭義の〈鋳物shaped casting〉のように直接製品の形状を得るのではなく,製錬された金属をのちに圧延,鍛造などの加工や再溶解を行う目的で,目的に適した大きさ,形状に鋳造した金属塊のこと。鋳塊ともいい,金属が鉄鋼の場合には鋼塊ともいう。近代の金属製錬においては,ほとんどの金属が鉱石から液体金属として取り出されるから,一度インゴットに鋳込まなければならない。…

【製鉄・製鋼】より

… 以上述べた各種製鋼法の特徴を表3に示すが,日本では特殊鋼メーカーはほとんど電気炉により,銑鋼一貫製鉄所は転炉が主体である(〈電気炉〉の項参照)。
【造塊】
 各種の製鋼炉でつくられた溶鋼は,いったん取鍋に受け,ここで成分調整,脱酸,温度調節を行い,鋳型に流し込み鋼塊(インゴットという)とするが,連続鋳造機により鋳片を製造する。これらの工程を造塊という。…

※「鋼塊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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